公開日:2019/04/09
更新日:2020/11/24
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日本でも一大ブームを起こした「フライボールレボリューション」
打球に角度をつけてフライを打ち上げてホームランを狙う打撃理論はメジャーリーグのみならず、日本プロ野球界、さらには草野球界にすら浸透し世界各国のプロアマ問わない野球界を席巻している。
そんなフライボールレボリューションに対抗する為に脚光を浴びている変化球があるのを皆さんはご存知でしょうか?
それは世界最古の変化球とされているカーブなのです。
変化球にもトレンドがあり、2000年代に流行したツーシームやカットボールのような変化率の小さいボールは、フライボールレボリューションのややアッパー気味のバットスイングの軌道に対して横の変化なので「線」で対応されてしまいます。
しかし、カーブのような縦の変化率の大きいボールは「点」での対応になる為、ボールの上っ面を叩いてしまいゴロになる確率が高くなり、アッパー気味のスイング軌道に対して有効となるのです。
今回紹介するこのナックルカーブは通常のカーブより速く、そして縦に大きく割れるような変化が特徴です。
ナックルと言ってもナックルのように揺れながら落ちるのではなく、握り方がナックルに似ているためにナックルカーブと呼ばれています。
五十嵐良太投手(元東京ヤクルトスワローズ)、リック・バンデンハーク投手(福岡ソフトバンクホークス)、ブランドン・ディクソン投手(オリックスバファローズ)のウイニングショットとして有名です。
FRONT
親指と中指を縫い目にかけて握る。
SIDE
人差し指は縫い目に置くだけ。
BACK
人差し指には力を入れない。
この握りのまま親指と人差し指の付け根がⅤ字になっている部分を投げたいコースに被せるようにリリースします。
ナックルボールのようにリリースの瞬間に指で弾くとか、通常のカーブのように抜く感覚は必要ありません。
一度浮き上がって高いところからドロンと落ちます。
私が一番初めに覚え、その後も武器にしている球種です。
私は初球に投げることが多いです。
まったくカーブが頭にない打者なら難しいコースを狙うことなく、極端に言えばど真ん中でも簡単にストライクが取れます。
打者からすると一瞬上に上がって向かってフワっと浮いてから曲がって落ちてくるように見える為目線が上がってしまいタイミングが崩されてしまいます。
さらにこのナックルカーブは縦への変化が通常のカーブより強いので空振りも奪えます。
また、私は投球の6割ほどがツーシームを投げるので打者はストレート系を狙っていることが多く、まずタイミングが合いません。
そして何より投げるのが簡単です。
特徴的な握りで最初は投げるのが難しいかもしれませんが、私はどうしてもカーブの抜いて投げるという感覚が理解できなかったので、この握りのまま投げれば簡単に変化するナックルカーブはありがたかったです。
現在、カットボールやツーシーム、スプリットのようにストレートと同じ軌道から曲がる変化球、いわゆるムービングボールが主流となっていますが、そこにカーブを交えることで必然的に目線が上下に動くことによって打者にはそれだけで邪魔なボールとなるはずです。
大きな特徴は変化の軌道ではなく腕の振りにあります。
ナックルを除くすべての変化球がストレートと同じであるのに対し、唯一腕の振りが異なるのです。
リリースはほかの変化球は捕手寄りで行いますが、カーブの場合は自分の頭の横でリリースするイメージです。